森本 太郎 vestiges  5 / 7 - 6 / 1
ミラノの花#10 60.6x50.0cm アクリル・油彩・キャンバス 2013年 © MORIMOTO Taro

森本 太郎 vestiges  5 / 7 – 6 / 1

展覧会タイトルの「vestiges」は、フランス語の「名残」「面影」、また「痕跡」といった意味からつけられています。
森本太郎は、雑誌等の印刷物や写真のなかからあるイメージを選び、それをコンピューター上で ”色の面へと変換” し、キャンバスにトレースして ”絵の具に変換” していく、という方法で絵画制作をしています。このような制作過程のなかで形を変え、最後に作品になったものは、元となるイメージの「名残」や「面影」といった「痕跡」の比喩となっていると作家は考えます。
ペインティング作品の他、刺繍による小作品、また最近の水彩画も展示します。水彩画はこれまでの作風からみて一見異質にも映りますが、これまで絵画制作を繰り返してきたなかで培われた森本の感覚が反映されているといえます。ぜひご高覧下さい。

EnglishFrench日本語

展覧会について (岡村多佳夫 美術評論家)

 森本太郎の卒業制作の作品名は、≪サンプリングによるオブジェクト≫であった。これは「オブジェクト=物」をコピー機のモザイク機能を用いて表現した、というか機械に委ねられて表現されたもので、そこには作家の主観は排除されている。その主観はただ作品として選択され、提示されるときにのみ現れる。いずれにせよ、デュシャン的態度で作り出され、モザイク処理され断片化されたそれらはピカソやブラックによる分析的キュビスムの表現に通じるものがあった。ただ彼らが絵画上の問題、すなわち造形とフォルムの探求からそこに向かったのとは異なり、森本は意識してか、無意識かは判然としないが、より感覚的に作品化していく。それゆえ、あるいはそれだからこそ、記号学的意味が付与されて立ち現われてくるのだろう。
 さて、「サンプリングによるオブジェクト」の考え方は、当然ながら卒業後始めた絵画制作にも表れている。もちろん、小さな面が集積されて表されるモザイク表現を踏襲するのではなく、面は広がり、オブジェクトはあいまいになり、抽象化され始めた。しかし、これは絵画の特性を生かすことは何かを推し進めるなかでのものと思われ、ほどなくグラフィカルな感覚を残しつつ、修辞に満ちたミメーティックな表現が現れてくるが、決して作家の内的世界が押し付けられることはない。それは、自らを含めて、世界を等価に、そして等質に見ているからかもしれない。

期間
2015年 5月7日(木) – 6月1日(月) 12:00-19:00 (最終日は-17:00) 終了しました
※期間中の水曜・日曜・祝日は休廊いたします。
場所
GALLERY TAGA2
オープニングパーティー
5月8日(金)18:00-20:00
お問い合わせ
info@gallerytaga2.com  田賀