三輪 途道   泥団子少女
食いしん坊のやかん/脱乾漆、彩色/355×300×240mm/2020年 © Michiyo MIWA

三輪 途道   泥団子少女

日本古来の技法を用いて現在の肖像表現を続ける三輪途道ですが、視力の低下をきっかけに、最近は木彫から粘土を用いた制作へと変化させています。視覚に頼るのではなく、粘土を触りながら頭の中のイメージを造形化し、やはり古典的な脱活乾漆造で作品化します。本展では三輪途道のルーツに戻ったかのような、遊び心の溢れる新作をご紹介いたします。

*Artsyでもご紹介しています→ https://www.artsy.net/gallery-taga-2/artist/michiyo-miwa

English/日本語

泥団子少女  (三輪途道)

最近粘土で作品を作り出している。私のアトリエは木彫用の作業場仕様にできているので、粘土を扱うには不向きな環境なので、作業場を多少雨が差し込む軒先に移した。毎日大きな水筒を持って、日が沈むまでの土いじりは思いのほか楽しくて、寒かろうが、暑かろうが、背中を丸めて土と格闘した。ある日ふと、目線を右に向けると壁からおかっぱ頭の少女が現れた。彼女の名前はみちよちゃん、泥団子少女だ。彼女は保育園の花壇の隣が、泥団子を作るために向いた粘土質の土が取れることを知っていたし、最後に泥団子を磨き上げる土は砂場の道具棚にたまったほこりくらいがちょうどいいことも知っていた。彼女はお友達が滑り台や鉄棒で遊んでいても、独り園庭の隅でいつまでも泥団子を飽きもせず作り続けていた。半世紀が経った今、私の中のみちよちゃんが、ムクムク起きだした。復活!泥団子少女だ。

独り格闘した粘土を脱乾漆という、およそ現代の潮流から逆行する技法で作品化した。脱乾漆といっても石膏型に漆を塗った麻を張り込む型抜き脱乾漆もあるが、私が選択したのは、粘土に漆を塗った麻を直接張り込んでいく古典的な脱乾漆だ。型抜き脱乾漆であれば、原形の形を正確に再現できるが、古典的な脱乾漆は形が歪むし、シャープな造形表現は相当困難だし、時間が無駄にかかる。なぜ今脱乾漆なのか自分に問うと、結論だけを見るな、途中を見よ、手技で勝負するな、手は眼だ、という腹の声が聞こえる。

数か月前までは、日本中がマスクで覆われるとは、当然全く考えもしなかった。結果を急ぐな、ゆるりと進め、天のお気持ちが伝わってくる。それでも毎日生かされていることに感謝したい。自己表現という自分しか見ない生き方を懺悔し、素直に作ることを楽しみたい。

期間
2020年 11月5日(木) – 11月30日(月) 13:00-19:00 (最終日は-17:00)
※期間中の水曜・日曜・祝日は休廊いたします。
場所
GALLERY TAGA2
オープニングパーティー
開催致しません
お問い合わせ
info@gallerytaga2.com  田賀