安藤 榮作 ・ 彫刻おもちゃ      ( 11/4 – 11/28 )
ビッグ狛ちゃん クス 2015年 © Eisaku ANDO

安藤 榮作 ・ 彫刻おもちゃ ( 11/4 – 11/28 )

彫刻家 安藤榮作の個展を開催いたします。本展では彫刻家が初めて、と話す「おもちゃ」が並びます。安藤榮作は、原木や廃材を手斧を用い、打つことによって形を表していきますが、こうしてできる無数に刻み込まれた繊細で同時に力強い木肌は安藤独特のものです。また打つことによって木の中心へと凝縮されるパワーは、宇宙へと力強く延びていく作品の世界観にもつながっていきます。安藤榮作のつくりだす荘厳でシリアスな作品と、ユーモラスでときに可愛らしい作品は、それぞれ正反対の世界にいるようでいて、実は常に作品に同居する二つの側面だともいえます。GALLERY TAGA 2では2年ぶりとなる展覧会、ぜひご高覧下さい。

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「彫刻おもちゃ」に寄せて。  (安藤 榮作)

2011年3月11日、地震と津波とで我家は消滅しました。
母屋はもちろん、アトリエや倉庫も沢山の道具や数百点の彫刻作品ごと流されてしまいました。
その日私達家族は内陸に出かけていて無事だったのですが、
家で留守番をしていたワンコが行方不明のままです。
住んでいたところが福島第一原発から30km圏内だったため、
原発の爆発後は放射能を避けて新潟へ一時避難、
その2ケ月半後には奈良県に避難移住しました。

震災から3週間後、自宅の状況を確認するために被災地に入りました。
基礎だけになった自宅跡に他の瓦礫が流れ込み大変な状況だったのですが、
そんな中、全くの無傷で見つかった物があったのです。
それはカミさんが、今は成人した娘が幼かった時に彼女に作ってあげた
手作りの木彫りの着せ替え人形でした。
お菓子の紙箱に入っていたそのお人形の横には
娘がお人形用に縫った小さな洋服がきれいに畳まれて並んでいました。
水も被らず泥も付かず何事もなかったように箱の中で微笑んでいるお人形に
私達家族は目を見張りました。
瓦礫の平原となった町を歩き回り、そろそろ帰ろうかという時、
自宅から遠く離れた瓦礫の上に見覚えのあるものが乗っているのに気付きました。
それは今は社会人になった息子が幼い時、私が彼に作ってあげた木彫りの自動車のオモチャでした。
不思議な気持ちでした。
どうだと言わんばかりの3m、4mある屈強な彫刻作品がみな無くなり、
子供たちに作ってあげた手作りのか弱いオモチャが私達の前に姿を現わしていました。
顔を上げると瓦礫の平原に地元の人が大切にしていた小さなお社が全くの無傷で立っていました。
強烈な破壊のエネルギーが交錯する時、次元を超えて存在できるものって何なのだろう・・・。
もしかしたらそれは他愛もない小さな真心や他者を想う優しい気持ちなのかもしれない。

今回の個展では彫刻人生で初めてオモチャを並べようと思っています。
彫刻家が作るのですから、彫刻ともオモチャともつかない摩訶不思議なものたちです。

瓦礫の平原に無傷で立つお社。津波と火災を超えて無傷で立つ小さなお社。

期間
2016年 11月4日(金) – 11月28日(月) 12:00-19:00 (最終日は-17:00)終了しました
※期間中の水曜・日曜・祝日は休廊いたします。
場所
GALLERY TAGA2
オープニングパーティー
11月5日(土) 18:30-20:30
お問い合わせ
info@gallerytaga2.com  田賀