7/3 – 7/29 安藤 栄作 ほにゃらか彫刻展

7/3 – 7/29 安藤 栄作 ほにゃらか彫刻展

 子供の頃、バトミントンが出来るようになった時、すごく嬉しかった。
空き地で友人とあたりが暗くなるまで延々打ち合った。友人が打ち損ねた羽根をなんとか拾い取りやすいように打ち返す、友人も私の打ち損ねの羽根を果敢に拾い返してくれる。お互いをフォローし合うそのラリーが何回続くのか数えながら、このまま明日の朝まで続くんじゃないかとワクワクした。
 ある時、勝ち負けのゲーム好きの友人が加わり、地面にラインを引いて勝ち抜き戦が始まった。「ごめーん」「サンキュー」というそれまでの掛け声は「してやったり」「ラッキー、儲け!」という心に変わった。
僕はそのゲームが勝っても負けても全然楽しくなく、わざわざ相手の取りにくいように打つ努力をするなんて、ときめきもしないそんなゲームがバカらしくなり止めてしまった。
 
 アスリートたちの描く美しいラインや、そのラインが生み出されるまでに彼らが垣間見た宇宙の法則や不思議には感動するのだが、金属のお皿を首から垂らし自国の国旗を得意げにはためかせて走り回る姿にはうんざりする。そんな姿を世界の一大事のように演出するメディアにもげんなりし、最近はオリンピックそのものに興味がなくなってしまった。

 「この世は弱肉強食の世界、強い物が生き残る」なんて、いったいどこの誰がこんな幼く思慮の浅いことを言い始めたのだろう・・・。
 津波で根こそぎ破壊された僕の住んでいた町で、全くの無傷で残っていたものがある。誰のものでもない地元の人たちが大切にしていた小さなお社と、うちのカミさんが娘が幼かった時に彼女に作ってあげた木彫りの着せ替え人形。
 勝敗や競争に憑りつかれたゲーム脳ではどうしても超えられない壁がある。生命エネルギーの循環そのもののことを宇宙という。そこでは相手を生かすため、互いの打ち損ねた羽根を果敢に拾い合い打ち返し合うことでしか結局は存在し合えない。
 そこで飛び交う言葉は「取れなくてごめんー」「拾ってくれてありがとー」だ。

( 安藤栄作 )

期間
2014年 7月3日(木) – 7月29日(火) 12:00-19:00 (最終日は-17:00) 終了しました
場所
GALLERY TAGA2