安藤  榮作  空気の狭間    11/1–11/26
空気の狭間・HUMAN BEING/クス/1030×440×110mm/2018年/© Eisaku ANDO

安藤 榮作  空気の狭間    11/1–11/26

安藤榮作の彫刻作品は、木を手斧で叩きながら刻んでいくなかで、エネルギーを集め、動きを生み出し、形をともなってまたエネルギーが放出されていくような存在感があります。ずっと彫刻に向き合い、3.11の震災とそれに伴う避難生活、新たな地での生活と制作活動、そして2017年の第28回平櫛田中賞受賞を経た作家の、今あらわす彫刻をぜひご高覧ください。

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「空気の狭間」 ( 安藤榮作 )

私達が当たり前のように呼吸し日々を送っているこの空間。
私達はこの透き通って見える空気の層を目の前に、自分はこの空気の中にあるものを全て見ていると思い込んでいる。
日々次々と起こる個人的社会的問題はその都度解決され時間や空間は積み上げられていると思っている。
本当にそうだろうか。
地面に落ちた落し物は拾わなければ落ち葉が積もり、いつしかその存在は見えなくなってしまう。
人々は常に地面の表面を見て世界を把握した気になっている。
巡る季節の中で幾重にも積み重なった分厚い落ち葉の層には、今も様々な落し物が封じ込まれているはずだ。
私達が呼吸するこの空気や空間の中にも、置いてきぼりにされた人々の想いが封印されている。
届けられなかった想い、伝わらなかった真実、呑み込んだ言葉、力によってねじ伏せられた想い、叶わなかった夢。
人の世の大ざっぱで雑な意識の流れの中、空間の隙間に取り残され重なる空気の向こうに見えなくなったものたち。
でもきっとその想いや心や真実は無くなった訳ではない。
そればかりか、それらこそが強欲とエゴで崩壊しそうなこの空間を内側から支えているのかもしれない。
見栄えのいい化粧板の外壁で覆われているビルを見て私達はそのビルを認識した気になっているが、
実はそのビルを支えているのは内側の柱や梁や配管や配線だ。
空気の狭間には社会や時代の見栄えと体裁によって封印された個々人の想いが存在している。
一見とてもか弱く見えるそれらの想いは、人知れず空気の狭間で発光し、
困難に差し掛かった人の意識に映り、励ましたり癒したり勇気づけたりしているかもしれない。
そんな尊いスピリットが住む領域にアクセスするツールを、原木を手斧で叩き刻み、空間に出現させたい。

期間
2018年 11月1日(木) – 11月26日(月) 12:00-19:00 (最終日は-17:00)
※期間中の水曜・日曜・祝日は休廊いたします。
場所
GALLERY TAGA2
オープニングパーティー
11月1日(木)18:30-20:30
お問い合わせ
info@gallerytaga2.com  田賀