三輪 洸旗  チューリップ-鳳凰と大地ー      
赤のチューリップ #4/ 木、アクリル絵具、ポリエステル樹脂/645×180×120mm/2019年 © Koki MIWA

三輪 洸旗  チューリップ-鳳凰と大地ー      

三輪洸旗が、長年暮らす群馬固有の風土から感じ、知りうること。本展ではその特異性に着目した”かたち”を展覧いたします。三輪は生きる場所の声に注意深く耳を傾け、繋がり、そして生み出された作品で世界と私達をつなげていきます。チューリップや植物の彫刻と平面作品、ドローイングで構成される本展。前回展「チューリップ -景観-」に続く三輪の世界を是非ご高覧ください。
English/日本語

チューリップ  -鳳凰と大地-  (三輪 洸旗)

 山々が銀色をまとい、空が青白く乾いている。それは20年暮らしてきた群馬の印象である。県境近くに暮らしているせいか、県を境にして空の印象が変わるのがわかる。まるで大地がパレットの役割をしているかのように描かれる空の色合いや絵が違うのだ。アトリエとして、居を構えた頃、裏山に登ってみた。足元がパサパサした葉の感触で土が固まっておらず、踏み込めば泥濘に足がはまる。後に過去の火山の噴火で火山灰が堆積して作られた土地だと知った。庭には何mもの巨大な噴石の岩が点在している。また、娘が通っていた保育園の近くにはジオパークがあり、町一帯は地質学の権威の人達には世界的に注目するところであった。そこで目にしたフォッサマグナと言う、いかにも壮大なイメージの名称, ここ群馬もかつては海であり、地殻変動の果てに大陸が繋がった。色々な諸説があるが、解明は継続している。
 アトリエの北窓から見える一本の梅の木を眺めていると、我々人間がまさに今、ここに生きるという現実を見据えた時の人間の実情を越えた大きなウネリの先端にほんの僅か摑まって、ほんの僅か生きるという、そんな現実感が重なっていく。そして、自分は日々の生活の中で体感する木霊のような熱のうねりを木(もく)に施していく。ここ数年取り組んできた海や湖畔の風景、そして植物とチューリップ。初めて、この土地に来て、登った裏山の土の感触と通勤に見る青白い山の風景を重ねながら、頭の中で水平なる積層の熱のギアが上がるポイントにチューリップを立ててみる。しばらくすると、そこに立ち上がる螺旋の形や色彩は風や大地のうねりとなって昇華のイメージをまとっていく。この世界との密接な関わりの中で一つ一つの作品の要素がその地の風土や、その世界の時間を携えて変容を開始する。それは、新たな時間軸を伴ったこの世界の現れであり、対比的に現実は容赦なく雨や風が降り注いでいく。とりあえずは、居を許された仕事場で思慮く周密に作品制作を始めてみる。

期間
2019年 11月7日(木) – 11月30日(土) 12:00-19:00 (最終日は-17:00)
※期間中の水曜・日曜・祝日は休廊いたします。終了しました
場所
GALLERY TAGA2
オープニングパーティー
11月9日(土)18:30-20:30
お問い合わせ
info@gallerytaga2.com  田賀