相川 勝  Sandy Shores
landscape/木製パネルに写真乳剤を塗布/883.9×497.8 mm/2019年 © Masaru AIKAWA

相川 勝  Sandy Shores

相川勝は多摩美術大学在学中から「複製」と「身体」をテーマにした作品を発表し、2010年からは「複製芸術」や「著作権/違法コピー」等に注目して、ロックやメタル等のCDアルバムを肉筆とアカペラにより完全コピーする《CDs》を制作し続けています。また近年は、ネットワークや携帯端末の発達によって現れる状況を提示する写真作品も制作。本展では、ゲーム上の風景やAIが生成した人物といった被写体をプロジェクターやタブレットから発せられる光によって印画した写真作品を展示します。
English/日本語

展覧会について  (相川 勝)

スマートフォンで撮影する時、そのUIがもはやシャッターの形態をイミテーションしていないことに気が付く。撮影者はカメラのアイコンを選択して撮影し、スワイプやピンチをしてトリミングをし、フィルタをかけるなど擬似暗室作業を繰りかえしイメージを形作っていく。
そうして作られたイメージは、SNSの誕生と共に圧倒的なスピードで共有され、ディスプレイに表示されていく。instagramを上から下にスクロールしていく時、もはや「写真」という言葉のニュアンスに違和感を感じるほどに、そのイメージは加工/編集されている。しかし、写真を意味する「photography」はラテン語のphoto「=光」graphと「=画く」の意味と考えると、投稿者は自身がもつイメージを描き、共有しているにすぎない。それは日本語の「写真」が本来の「photography」の意味に接近していることに気づかされる。

私はプロジェクターやスマートフォンから発する光を用いて撮影する。その行為はディバイスにアクセスする(=電源をつける)のと、シャッターを切る行為とはほとんど同義となっている。ディバイスから発する光はただの事象であり、鑑賞者の被写体に対するバイアスを含んだ視点を拒否することになる。
その被写体は実在しないものを撮影しているものが多い。それは私たちは、先ほど述べた各々が持つ「イメージ」を共有することと共通する。そこには被写体が実在するかなどは大した問題でない。それは、私たちは他者が作り出したイメージのなかで生活しているからである。SNS上で共有されるイメージと私が暗室で作り出すイメージ。そこにはある共通点をもってそこに存在している。

期間
2019年 7月18日(木) – 8月10日(土) 12:00-19:00 (最終日は-17:00)
※期間中の水曜・日曜・祝日は休廊いたします。終了しました
場所
GALLERY TAGA2
オープニングパーティー
7月18日(木)18:30-20:30
お問い合わせ
info@gallerytaga2.com  田賀