木下 恵介展 蒐集    5/10–6/4
K-Box-1/エッチング、アクアチント、その他/Book cover、版画小作品、コラージュ、本形式の版画作品など/205x145x67mm/2018年/© Keisuke KINOSHITA

木下 恵介展 蒐集    5/10–6/4

風景、自然、そして身の回りにあるもの。木下恵介は選んだモチーフを様々な技法・描き方で表現してきました。本展では「蒐集」をテーマに制作した作品を展示します。ブックカバーや版画の小作品そしてコラージュ等さまざまでカラフルな作品が一つに入ったBox作品、また作家宅の周辺で採取した植物をモノトーンで描き出したリトグラフ作品がギャラリーいっぱいに展開されます。木下恵介の「蒐集」の世界をぜひお楽しみください。

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展覧会について ( 岡村多佳夫 美術評論家 )

 20世紀の「知」を象徴する人物の一人、フランスの詩人ポール・ヴァレリーはその著『エウパリノス』の中で、主人公の建築家エウパリノスに「きみはこの町を散歩するとき、町に群がる建物のなかで、あるものは黙し、あるものは、これが一ばん稀なのだが、歌うということに気づきはしなかったか。」、そして続いて「建物のなかで語りもせず歌いもしないものは軽蔑にしか値しない」と語らせている。
 これはあくまで建築についての言説であり、崇高さやたたずまいなど様々な要素が内包されているが、その語り掛ける、さらには歌うというのはあらゆる優れた表現について通じていると言えるであろう。
 密やかに語り静かに歌う木下恵介の作品だが、ときに饒舌になる。それを余白の饒舌性と言ってもいいのかもしれない。彼が見、選び取った対象が独り歩きすることなく、散文ではなく、韻文のように、現れた余白と表されなかった余白が不思議な調子を奏で、外の世界に流れ出す。ときに表現者たちは、何気ない、日常の美しい風景を汚し、傷付ける。それは自らの存在に対しても同様のことをしているのだ。しかしながら、木下の作品はそのようにはならない。それは彼の生来の資質であるからだ。そして、それによって紡ぎだされた世界はさまざまな想像の世界に私たちを誘う。今回、新たな生命の誕生を前にして、彼の作品はさらに言葉を生み、その世界に浸る見る側の人間を豊かなものにしてくれるだろう。

期間
2018年 5月10日(木) – 6月4日(月) 12:00-19:00 (最終日は-17:00)
※期間中の水曜・日曜・祝日は休廊いたします。
場所
GALLERY TAGA2
オープニングパーティー
5月10日(木)18:30-20:30
お問い合わせ
info@gallerytaga2.com  田賀