母袋 俊也 「Printworks ポートフォリオ《現出の場》/モノタイプ《mt21「もう一つの世界」に回り込んで》」       6/9 – 7/4
「ポー トフォリオ《現出の場》」デジタルプリント 2016年 © Toshiya MOTAI

母袋 俊也 「Printworks ポートフォリオ《現出の場》/モノタイプ《mt21「もう一つの世界」に回り込んで》」 6/9 – 7/4

母袋俊也の版画展を開催いたします。今回は《現出の場》をめぐるポートフォリオと《mt21「もう一つの世界」に回り込んで》と題されたモノタイプ版画を展覧いたします。
《現出の場》とは、作家が考える、現実世界(Real)ともう一つの世界(Idea)がわずかに重なり合う絵画の現れる場所のことであり、そこに位置する絵画への関心はこれまでもインスタレーション等で試みられてきました。またモノタイプ版画とは、描画したアルミ板等の上に紙を乗せプレスすることで像を転写する1点ものの版画ですが、この圧をかけることで描いた像が現れるという仕組みもまた、作家には十字架に処せられたイエスの遺体を包んだ布にその姿が浮かび上がったとされる「トリノの聖骸布」を思い起こさせ、それがつまり絵画の位置やその現れる場所について考えさせられると話します。
ギャラリー空間では2種類の版画作品の展示とともに《現出の場》を想起させるインスタレーションも試みられます。ぜひご高覧下さい。

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〈版-現出〉 もう一つの世界に回り込んで  (母袋 俊也)

僕は時より版画の制作を行う。
版画とりわけモノタイプは「絵画の位置、絵画・像の現われる場」について考える契機としてとても示唆的である。
〈像〉は僕らが生きる現実の世界に存在するのだが、もう一方の精神だけの世界の表象としてその二つの世界の中間領域の合間に現出を果たすのだと思う。絵画はそのイデア界を表象することを使命として像を結ぶと僕は考える。
原型・ 版が転写され像を現わすシミュラークルとも言えるこの版構造は、〈像と実体との相関〉として「ヴェロニカ伝説」や十字架に処せられたイエスの遺体を包んだ布にはイエスの姿が浮かび上っているとされる「トリノの聖骸布」を強く想い起こさせる。布の表に浮かび上っているのは布の背後のイエスであり刻印されたという ことなのだ。
絵とは 背後のあり様を膜上にかたちを現すのであり、背後からの圧によってかたちを結ぶのだ。そう考えた時、モノタイプは正にその筆跡の圧そのものが刻印される。ならば版の表側で行為として残される筆跡は、実は画面の背後での行為であるようにも思えてくるのである。
制作に際しては、アルミ板の背後、あちらの世界に回り込み、像の浮かび上ることを強く思いながら描画は進められた。

2015年9月(制作ノートより)
                                                                                                          

期間
2016年 6月9日(木) – 7月4日(月) 12:00-19:00 (最終日は-17:00) 終了しました
※期間中の水曜・日曜・祝日は休廊いたします。
場所
GALLERY TAGA2 (小田急小田原線「祖師ヶ谷大蔵駅」徒歩5分)
オープニングパーティー
6月9日(木) 18:30-20:30
ギャラリートーク<母袋俊也氏 x 本江邦夫氏>
6月25日(土)17:00〜18:30 母袋俊也氏が本江邦夫氏(多摩美術大学教授)と「版 もうひとつの世界をめぐって」と題した対談をギャラリーにて行います。
お問い合わせ
info@gallerytaga2.com  田賀