南条 嘉毅  水流  6 / 4 - 6 / 29
「財田川」803x652mm パネル・綿布・土・アクリル・他 2014年  courtesy of YUKARI ART

南条 嘉毅  水流  6 / 4 – 6 / 29

 2015年2月に行った個展では日本の標高の高い5つの山をテーマとした「山頂」シリーズを展示し、今回は鳳凰三山(山梨)の鳳凰の滝・南精進ヶ滝や、那智滝・桑ノ木の滝(和歌山)、苗奈滝(新潟)、糠平湖のタウシュベツ川橋梁(北海道)、財田川(香川)、福島潟(新潟)、巨済市長承浦港(韓国)など、形を変えて流れる水に注目した展示となっている。各地の写真と土をもとに制作した作品を発表する。

 南条の絵画作品は、自らが撮影した風景写真を基にしてアクリル絵具で描く「描画部分」と、場所そのものの象徴として現場の土を使用した「土の部分」に分かれていることが特徴である。 作家は「描画部分は『平面の空間性』、土部分は『粒子』であり、その『場所』であり、空間そのものへのアプローチを暗示している。」という。また、「その2つの要素を現地で撮影したデジタル画像上にある明暗や色彩、名称、境界などに形を変え一つの画面に落とし込んでいる。」

 近年、南条がいわゆるホワイトキューブのギャラリースペースだけでなく例えば町屋や廃屋などで、その「場」との関係の中で制作するサイトスペシフィックな作品を多く発表しているのは、まさにこの制作スタイルが所以であろう。 協力:ユカリアート 

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展覧会について (岡村多佳夫 美術評論家)

 レオナルド・ダ・ヴィンチによれば、水は「地球機械に流れる生命の体液であり、生命を持つあらゆる肉体の養分であり、水なくしてその最初の形を保つことはできない」として、自然の「四つの構成要素(空気、水、火、土)」のなかで「水」に最も興味を示し、観察し、そのエネルギーや運動を分析し、最終的に芸術表現に生かそうとした。
 つねに形を定めることがなく、動き続ける水に多くの人が魅了されたが、彼は、最終的に、没落のイメージ、形の消滅による抽象的概念を読み取る。

 ところで、今回の南条嘉毅の展覧会のタイトルは「水流}となっているが、「土」の表現者、南条嘉毅が「水」にも興味を示すのは必然であったであろう。もちろんレオナルドとは思考の方法も、認識も、対象へのアプローチも異なるのは当然であり、流れる水がその場を象徴する「土」と共に描かれることによって、空間と時間、その場にいる、そしてかつていた作家自身の現存と記憶の揺らぎが立ち現われてくる。「水」は水でしかなく、抽象的ではあるが、様々な場とつながることによって具体的になる。
 それにしても南条は「水」の何を、そしてどこを見ているのか、あるいは見ようとしているのか。

期間
2015年 6月4日(木) – 6月29日(月) 12:00-19:00 (最終日は-17:00) 終了しました
※期間中の水曜・日曜・祝日は休廊いたします。
場所
GALLERY TAGA2
オープニングパーティー
6月6日(土)18:00-20:00
お問い合わせ
info@gallerytaga2.com  田賀