5/8 – 6/3 木下 恵介 線と写生

5/8 – 6/3 木下 恵介 線と写生

版画家木下惠介の個展を開催します。
今回の展覧会は、ギャラリー1階にMDFボードに線を格子状に描いた油彩作品、ギャラリー2階に木下の自宅近くの多摩川周辺風景を描いたリトグラフ作品を展示します。
油彩作品は、リトグラフの油性インクを原色のまま何十回も薄く塗り重ねる方法で描くカラフルでシャープな作品、またリトグラフ作品は、白い紙に墨1色のモノトーンで描いた作品で、会場ではまるで風景に囲まれているかのような臨場感が表現されます。
木下は様々なモチーフを様々な描き方で表現し、それをコラージュのように組み合わせた版画作品を制作してきています。それらの要素をそれぞれ独立させて見せているのが今回の展示だといえます。

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展覧会について ( 愛媛県美術館 主任学芸員 杉山はるか )

木々の繁る道、足元に生える草花、遠くにみえる山々の連なり、あるいは水面のきらめき・・・これらは私たちを包む自然の一部である。季節、そして年月とともに着実に変化しながらも、普遍的なもの―木下恵介は、常にこれらの身近な情景について心にとめ、これまでの作品の中にも、その要素は折に触れて描かれてきている。
そして同時に、それらと寄り添うようにして作品に繰り返し表れてきたのが「線」である。エッチングによる細く密集し入り組んだ線から、リトグラフやリフトグランドなどによる力強い筆跡がそのまま伝わる太い線、あるいは、リトグラフの油性インクを直接塗り重ねた均一な線。技法を問わず、あらゆる可能性を探求し続けている。また、これらの線と線が交差することにより新しい動きが生み出され、全体の印象も変化してゆく。
線を引くということは、それ自体は非常に単純でありながら、多様な表情を生み出し、多くを語る行為なのである。
風景と線。木下の作品の中では時にこれらの二つの要素が組み合わされ、また溶け合い、お互いに補完しあう。線を引くその過程は、私たちを取り巻く風景を解釈する様々な試行錯誤と等価であり、その延長線上に、自然がいつもと同じようにそこに存在しているのである。

期間
2014年 5月8日(木) – 6月3日(火) 12:00-19:00 (最終日は-17:00) 終了しました
場所
GALLERY TAGA2