笠原  出  Loaded  10/5–10/30
Fluffy Limbo/still life/following S.Y/F6/キャンバスに油彩、箔/410×318mm/2017年

笠原 出  Loaded  10/5–10/30

笠原出のGALLERY TAGA 2では3年ぶりとなる展覧会を開催いたします。笠原は1995年頃から「笑い」そのものの意味や行為、またそこから派生する存在について問いつづけ、「笑い」のもつ複雑な層を表現しています。2006年頃からは、神社仏閣等の現世と常世(※)の橋架けとなるような風景に「笑う精霊」がふわふわ点在する絵画作品を描き続けてきました。本展では現世に見立てた過去の名画に「笑う精霊」が漂い、現世と常世の中間領域に私たちを誘います。また会場は、特殊照明作家の市川平氏とコラボレーションした展示となります。是非ご高覧ください。

※ 常世(とこよ):
永久に変わらない神域。死後の世界でもあり、黄泉もそこにあるとされる。日本神話や神道の重要な二律する世界観の一方。 もう一方は「現世(うつしよ)」。

(作品タイトルの「Fluffy Limbo」=ふわふわした不確実な状態/場所、 どっちつかず、宙ぶらりん)

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展覧会について ( 岡村多佳夫 美術評論家 )

 20年程前、静岡で開催されたバルーン・アート・フェスティバルなるものを見に行ったことがあったが、なぜわざわざそのような遠い場所でのイベントに出かけたのかも思い出せないし、どのような表現者が参加していたかも判然としない。ただ、なぜか笠原出の作品だけは記憶に刷り込まれている。それは「笑う」のっぺらぼうの主人公の表現だけではなく、見せ方の巧みさから来ていたのかもしれない。いずれにせよ、その前後からなんとなく気になる若い表現者の一人として彼は存在していた。
 その彼が近年は絵画を主に活発に展示活動をしている。今回も、「笑う精霊」が主人公ではあるが、その奥に「バベルの塔」であったり、「静物」が描かれる。笠原がどれほど意識しているかはわからないが、前者は「業」であり、それによる不和であり、崩壊であり、後者はもともと「ナチュラ・モルタ=死んだ自然」からきた言葉であり、死であり腐敗なのだ。だからこそ死を生き、復活したと考えるダリは、DNAが発見された後に「生きている静物」という絵を描いたのだ。それはともかくとして、笠原の作品からは、おぼろげに見えるまるで彼岸の世界のような現世のさらにこちら側に不安げにそして喜々として、あるいはシニカルに浮遊する笑うのっぺらぼうが、まるで彼方の、森羅万象の奥に潜む不可知の世界を知りたいと、存在とは何かを問いかけていると思われるのだ。

期間
2017年 10月5日(木) – 10月30日(月) 12:00-19:00 (最終日は-17:00) 終了しました
※期間中の水曜・日曜・祝日は休廊いたします。
場所
GALLERY TAGA2
オープニングパーティー
10月5日(木)18:30-20:30
お問い合わせ
info@gallerytaga2.com  田賀